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タイプ別にみるおすすめの遺言書(2020年12月6日)

今回は遺言書の中でもよく登場する自筆証書遺言と公正証書遺言について、まずはそれぞれの特徴を確認します。

その後に、どのような方に自筆証書遺言または公正証書遺言の作成がおすすめできるかをご紹介します。

目次

1.自筆証書遺言と公正証書遺言の比較

たくさんの種類の遺言がありますが、実際は自筆証書と公正証書を抑えておけば十分です。

遺言書には大きく3種類あり、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言となりますが、秘密証書遺言は実務上あまり登場することはありませんので、ここでは省略します。

また、この3種類以外にも特別方式による遺言もありますが、船が遭難した場合や伝染病で隔離されている場合など限られた状況で認められる遺言になりますので、同じくここでは省略します。

自筆証書遺言と公正証書遺言について、それぞれの特徴を次の図にまとめてみました。

自筆証書遺言は、本人が自ら作成する遺言書です。自ら作成するので、好きな時に作成できますし、いつでも書き直しができます。自分で作成して自分で保管をするため、費用もかかりません。

一方で、遺言書を作成するには、作成した文章が誰から見ても、法律的にも明確であるように書かなければなりません。法律に明るい方であれば問題ないのでしょうが、一般の方であれば明確な文章になっていないがために遺言書が無効になるということもあり得ます。

また、自分で遺言書の保管をすることになるので、紛失してしまったり、相続人に遺言書の場所を伝えておかなければ相続人に遺言書を見つけてもらえなかったりという恐れもあります。悪意のある相続人に遺言書の内容を勝手に書き換えられてしまうという危険性もあるでしょう。

2020710日からは、自分で作成した自筆証書遺言を法務局で預かってもらえる制度(有料)が始まりました。法務局に預けておけば、紛失や改ざんのリスクはなくなりますのでおすすめできる制度です。預けた場合は、相続後に相続人が法務局に出向いて遺言書の有無を確認する必要があります。

なお、遺言書を作成した方がご健在であるうちは、法務局に預けた遺言書は作成した方しか見ることができません。

自筆証書遺言の保管制度が始まるなど、
大きな改正が続いています。

公正証書遺言は、本人で考えた財産の分け方に基づき、公証人がその内容を文章にまとめ、本人に確認したうえで作成する遺言書です。

公証人に作成してもらう関係上、あらかじめ作成する日時を決めておき、基本的には公証人役場に出向いて作成することになります(追加の費用が発生しますが出張対応も可能です)

作成するときには証人を2名用意する必要があります。相続人となる方は証人にはなれませんので、それ以外の方を2名ということになりますが、思い当たらない場合は公証人役場でも紹介を受けられますので、事前に役場に相談しておくとよいでしょう。

証人の準備などの手間が発生しますが、公証人は遺言書作成のプロですから、遺言書が形式不備で無効になるリスクはまずないでしょう。また、公証人や証人の立会のもと作成されますので、作成者の意思能力に問題がないことも証明できます。

相続が発生した後は、相続人の最寄りの公証人役場で公正証書遺言の有無を確認することができます。全国の公証人役場がオンラインでつながっていますので、実際に遺言書を作成した公証人役場でなくても遺言書の有無の確認ができます。

2.自筆証書遺言をおすすめできる方

自筆証書遺言は財産内容や分け方がシンプルな場合におすすめです。

それぞれの遺言書の特徴を確認したところで、どのような方に自筆証書遺言をおすすめできるのでしょうか。

まずは、①財産内容がシンプルな場合です。自筆証書遺言は基本的にはすべて手書きで作成する遺言書です。

法改正により、2019113日からは、財産目録などについてはパソコン等で作成することが可能になりましたが、それでも財産(特に不動産)の数が多い場合などは作成の負担が重くなります。財産内容が、例えば自宅と預金口座が1つのようなシンプルなケースであれば、作成する文章量もそれほど多くはなりませんので自筆証書遺言はおすすめできます。

次に、②財産の分け方がシンプルな場合です。例えば、相続人が配偶者と兄弟姉妹の場合で配偶者にすべての財産をわたす場合は、「すべての財産を〇〇(配偶者)に相続させる」という内容があればよいので、この場合も自筆証書遺言はおすすめできます。

最後に、③遺言書の内容を今後何回も書き換える可能性が高い場合は、まず自筆証書遺言で作成することをおすすめします。自筆証書遺言であれば書き直しの費用もかかりません。まずは仮のものを作成して、作成する過程で色々と考えたいという場合なども自筆証書遺言から始めることをおすすめします。

まとめると、一般的に自筆証書遺言をおすすめできる方は次の方です。

  • 財産内容がシンプルな方
  • 財産の分け方がシンプルな方
  • 今後遺言書の書き換えが頻繁に発生しそうな方

3.公正証書遺言をおすすめできる方

確実に残したいという方は公正証書遺言がおすすめです。

続いてどのような方に公正証書遺言をおすすめできるのでしょうか。

まず、①財産内容が複雑な方です。不動産を多数所有していたり、金融機関の口座を多数所有していたりという方が該当します。

特に不動産は、所在地、地番、地目、面積、持分などを誤りなく正確に記載する必要があります。自筆証書遺言で手書き若しくはパソコン等で作成する場合でも誤りが許されませんので、より確実に公証人に作成してもらう方がよいでしょう。

次に、②財産の分け方を細かく指定したい方です。財産Aは長男、財産Bは長女、財産Cは長男と長女に半分ずつ、財産Dは…という具合に分け方にこだわりがある場合も公正証書遺言がおすすめです。遺言書は相続人に対する最後のメッセージになりますので、内容が複雑になるのであれば、公証人など第三者の目も入れて確実なものを作成すべきと考えています。

続いて、③法定相続分以外の分け方で財産を分けたい方も公正証書遺言の方がよいでしょう。

もちろん、自筆証書遺言でも法定相続分以外の財産の分け方を記載することもできますが、法定相続分より少ない財産を受け取る相続人からすると、その自筆証書遺言は他の相続人が遺言書の作成者をそそのかして書かせたものではないか、といった疑念が生じることがあり、遺言書の無効の訴えを起こすこともあり得ます。結果として、争いにつながりかねません。

公正証書遺言の場合は、公証人と証人2名が立ち会いますので、間違いなく遺言者の意思で作成されたものと証明できますので、遺言書が無効になる可能性を抑えられます。

③とも関連しますが、最後に④遺言書が無効になるリスクを避けたい方です。自筆証書遺言は、基本的には自分で作成や保管を行いますので、ある程度法律に沿ったやり方を調べてからでないと遺言書が無効になる可能性が出てきます。

遺言書の保管制度なども始まりましたので、そうしたリスクを抑える手段はあるとはいえ、やはり確実に遺言書を遺したいのであれば、プロの公証人が介し、公証人役場で保管される公正証書遺言の方がおすすめできます。

まとめると、一般的に公正証書遺言をおすすめできる方は次の方です。

  • 財産内容が複雑な方
  • 財産の分け方を細かく指定したい方
  • 法定相続分以外の分け方で財産を分けたい方
  • 遺言書が無効になるリスクを避けたい方(確実な遺言書を遺したい方)

4.終わりに

遺言書は残された遺族への最後のメッセージですから確実に届けたいものです。私を含め、多くの専門家はおそらく公正証書遺言をおすすめするケースの方が多いと思います。

正しく遺言書を残せば、それは必ず相続人の相続後の負担を軽減させることにつながります

当事務所では税務面からみた遺言書作成のサポートを行っていますし、遺言書の文案を作成する司法書士などとも連携していますので、ご興味のある方はぜひお問合せください。 

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