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相続のお手伝いの際にお客様から
いただいたご質問にお答えします。

今回の記事ですが、相続税の申告をお手伝いしていたときに、複数の相続人の方から受けたご質問をそのままタイトルにしました。

具体的には、「相続で引き継いだ財産が所得とみられて、相続の翌年の315日までに確定申告をしなければならないのではないか?」ということです。

特に、サラリーマンや年金受給者であれば、普段は確定申告をしておらず確定申告になじみがないという方が多いと思います。したがって、相続で財産を受けた場合に確定申告が必要なのではないか、とご心配されるのだと思います。

相続で財産を受けたときには相続税の対象になり、基本的にはそれにより完結しますので、相続で財産を受けたことのみの理由で確定申告をする必要はありません。

ただ、引き継いだ財産が収入を生む財産である場合は、財産を受けた後に発生した収入があるという理由で相続人の確定申告が必要な場合がありますので、財産別に解説していこうと思います。

2.預貯金

相続人が受け取った預貯金の利息に対して所得税と住民税がかけられます。ただ、利息が入金されるときには源泉徴収といって、すでに税金が差し引かれていますので、確定申告をする必要はありません。

3.不動産(自宅、空き家)

自宅や空き家を相続で引き継いだ場合は、不動産の名義変更の理由が「相続」となりますので、相続税以外に所得税や贈与税がかかることはなく、確定申告をする必要はありません。

ただし、空き家を修繕して賃貸不動産として貸すような場合は、不動産収入が発生しますので、基本的には確定申告が必要となります。

なお、不動産を相続で引き継いだ相続人は、用途に関わらず名義変更の際に登録免許税を支払うほか、相続の翌年から、その不動産の固定資産税を支払うことになります(※)

(※)相続が発生した年の固定資産税は、被相続人(お亡くなりになった方)に支払いの義務があります。固定資産税は、その年の1月1日時点で不動産を所有している人に支払いの義務が発生し、年の途中でお亡くなりになったとしても、支払いの義務が免除されるわけではないためです。

仮に支払いがないまま相続が発生した場合は、相続人が被相続人の代わりに支払うことになります。相続人が代わりに支払った固定資産税は、相続税を計算するうえで財産から差し引けますので、相続税の申告が必要な場合は、財産から引くことを忘れないようにしましょう。

不動産を売却した場合は、11.相続で受け取った財産を売却した場合をご覧ください。

4.不動産(賃貸不動産)

賃貸不動産を相続で引き継いだ場合は、賃料収入があるため、基本的には所得税の確定申告が必要になります。

また、税務署に対する届出書類が必要となる場合があります。よくあるケースは、個人で事業を行っていなかった相続人が、賃貸不動産を引き継いで不動産賃貸業を開始するケースです。

この場合は、個人事業の開業届の提出が必要となります。併せて、青色申告承認申請書、青色事業専従者給与に関する届出書、消費税課税事業者選択届出書、消費税簡易課税制度選択届出書などを提出した方が良い場合もあります。

事業を開始する際には届出書類に注意しましょう。

引き継ぐ不動産の規模などにより、どの書類を提出した方が良いかは異なりますので、詳しくは税理士にご確認いただくことをおすすめしています(税務署はお客様にご提案をする機関ではないので税理士の方がおすすめです)

特に、賃貸事業を引き継いだ年から青色申告を行いたい場合は、青色申告承認申請書の提出期限に注意が必要です。相続が発生した日により、提出期限が異なるためです。他の手続きをしていたら、いつの間にか期限を超えてしまっていたということのないように注意が必要です。

税理士がサポートする場合は、税理士が期限の管理を行いますので、漏れる可能性は低いと思います。ただ、初めて税理士にご相談いただいたときには、すでに提出期限を超えていたというお客様もいらっしゃいましたので、注意が必要な点だと感じます。

青色申告承認申請書の提出期限(賃貸事業を引き継いだ年から青色申告を行う場合)
相続発生日 提出期限
相続が発生した年の1月1日~8月31日 相続発生日から4か月以内
相続が発生した年の9月1日~10月31日 相続が発生した年の12月31日まで
相続が発生した年の11月1日~12月31日 相続が発生した年の翌年2月15日まで

5.有価証券(上場株式、債券、投資信託)

有価証券から得られる配当、利金、分配金に対して所得税・住民税がかけられます。

ただ、配当等を受け取る際に、すでに所得税や住民税が源泉徴収により差し引かれていますので、特に確定申告を行う必要はありません(売却損との相殺などの目的で申告を行うことはあり得ます)

有価証券を売却した場合は、11.相続で受け取った財産を売却した場合をご覧ください。

6.有価証券(未上場株式)

相続で未上場株式を引き継いだ場合で、その会社から配当を受け取ったときには確定申告が必要になります(所得税が源泉徴収されますが、それとは別に確定申告が必要になります)

受け取った配当金が少額(※)である場合は、所得税は申告しないこともできますが、住民税の申告は必要になります。

なお、確定申告を行う場合は配当控除が使える場合があります。

(※)1回に支払われる配当金が「10万円×配当計算期間の月数(最高12月)÷12」以下の金額である配当金

未上場会社で配当を出しているケースはあまりないのですが、該当する場合は申告方法などに注意が必要です。

また、確定申告とは別ですが、相続で未上場会社の株式を引き継ぐということは、その会社の株主が変わりますので、株主名簿や法人税申告書別表二の株主情報を書き換えることも必要です。こちらも忘れずに対応しましょう。

7.生命保険金(死亡保険金)

一時金で受け取る場合は、相続税の対象になるのみですので、確定申告は必要ありません。

年金形式で毎年受け取る場合は、相続が発生してから2年目以降は、受け取った金額が所得税や住民税の対象になりますので、基本的には確定申告が必要となります。詳しくは、次の個人年金を毎年継続して受け取る場合と同様になりますので、そちらをご覧ください。

8.個人年金

被相続人が生前に自らの個人年金を受け取っていることがあります。この場合には、相続発生後に、指定された相続人が一時金を受け取るか、引き続き年金を受け取ることができる場合があります。

一時金として受け取った場合は、相続税の対象となるのみであり、確定申告は必要ありません。

毎年継続して個人年金を受け取る場合は、相続税の対象となるほか、相続開始年から2年目以降に受け取る個人年金は、所得税や住民税の対象となりますので、基本的に確定申告が必要となります(お客様の所得の状況などにより申告が不要となる場合もあります)

申告方法は多少複雑です。というのも、年金形式の死亡保険金や個人年金を継続して受け取れる権利(年金受給権といいます)は相続税の対象になります。加えて、毎年受け取る年金に所得税がかけられるのであれば、二重に税金が発生していることになります。

この二重に課税されている部分を、所定の計算方法により調整することで、正しくかつお客様にとって有利な申告となりますので、制度に詳しい税理士などにご相談した方がよいでしょう。

9.未支給年金

相続が発生するまでに、被相続人が受け取るべき公的年金で、受け取ることができなかったものは、相続人が代わりに受け取ることができます。

相続人が代わりに受け取った公的年金は相続人の所得税の対象になります(相続税の対象にはなりません)

代わりに受け取った公的年金は、一時所得という分類になり、他の一時所得と合わせて累計50万円までであれば、計算上税金は発生しないので、実際に所得税がかけられてしまうというケースは少ないでしょう。累計50万円以下であれば、確定申告も不要です。

10.遺族年金

国民年金や厚生年金などの公的年金制度から支払われる遺族年金に所得税はかけられませんので、確定申告を行う必要はありません。

11.相続で受け取った財産を売却した場合

相続で取得した不動産や株式などを売却した場合は、譲渡所得税や住民税の対象になりますので、基本的には確定申告が必要です。

一定の条件を満たす売却であれば、譲渡所得税などを軽減できる特例が使える場合もあります(特例の内容については、リンク先の記事でご紹介していますので、よろしければご覧ください) 

なお、特定口座(源泉徴収あり)で上場株式などを売却した場合は確定申告をしなくてもよいのですが、特例を使う場合や、売却損と配当などを相殺する場合などは確定申告が必要になります。

12.終わりに

よく登場する財産を中心にご紹介しましたが、「こんな財産の場合はどうなのだろう?」などのご質問や気になる点がございましたら、専用のお問合せフォーム(ページの下部にございます)からお問い合わせください。

相続の際の税金は、相続税はもちろんですが、相続人の所得税などにも気をつける必要があります。また、受け取った財産の規模によっては、所得税の確定申告は必要なくとも、国外財産調書などの提出が必要な場合も考えられます。

相続後のフォローも税理士の重要な役割だと考えています。何かお悩みごとがございましたら、当事務所にご相談ください。

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※できる限りわかりやすくお伝えすることを優先し、あえて詳細な説明は省略しております。そのため、実際の取扱いなどは別途ご確認くださいますようよろしくお願い致します。

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