相模原市周辺を中心に神奈川県や東京都で活動しています。

受付時間
平日8:00~18:00
※土日祝日、夜間も可能(要事前予約)
※初回面談原則無料(1時間)

ZOOMやSkype等によるWEB面談も対応可能です。

お気軽にお問合せ・ご相談ください

070-1250-1736

ケース別にみる遺言書の必要性が高い方②(2020年12月17日)

先日の記事では遺言書の必要性が特に高い方として、子供のいないご夫婦、相続人が先妻(夫)の子と後妻(夫)となる方を挙げました(リンク先の記事になります)

ほかにも遺言書の必要性が高いと思われる方がいらっしゃいますので、ケース別にお伝えしていきます。

目次(遺言書の必要性が高い方)

1.相続人同士での話し合いが難しい方

相続人同士が不仲の場合に限らず、遠方に住んでいる場合も含みます。

まずは相続人同士での話し合いが難しいと思われる方です。遺言書がない場合は、相続後に被相続人(お亡くなりになった方)が所有していた財産の分け方を相続人全員で話し合って決める必要があります。

相続人同士が不仲であれば、その話し合いがまとまらずに争いになることもありますし、そもそも話し合いの場が持てない可能性もあります。

また、不仲でなくとも相続人が国内の遠方に住んでいるケースや、海外に住んでいるケースもいまや珍しくないでしょう。

相続人同士の話し合いは、直接会わずともメールや電話等でも可能ですが、遺言書がない場合と比べると、遺産の分け方を考えるための時間が相続人それぞれに必要になります。

ご年齢等にもよりますが、相続人がお勤めになられている場合も多く、実際になかなか時間を取れずに、「生前に遺言書を遺しておいてほしかった」という話を相続人の方から伺うこともよくあります。

2.財産の分け方を細かく指定したい方

ご自身で築いた財産をご自身の意思で分けたいという方もいらっしゃいます。

遺言書がない場合は、法定相続分という民法で定められた割合を目安に、相続人間で財産をどのように分けるかを決めていくことになります。

この法定相続分はあくまで「目安」なので、絶対に従わなければならないものではありません。相続人全員が合意をすれば、相続人同士で自由に割合を決められます。

ただ、被相続人が「自分の相続後は遺された相続人が好きに財産の分け方を決めればいい」という方であればまだしも、「自分が築いた財産については自分の意志で分け方を決めたい」という方もいらっしゃるでしょう。

また、先ほどの話と重なりますが、相続人からすると「被相続人が築いた財産なのだからその財産の分け方は、被相続人が責任をもって生前に決めておいてほしい」と思っているケースは、経験上少なからずあります(実際には言いづらいので、口に出していないケースが多いと思います)

遺言書を作成することは、被相続人の意思を示すためでもありますが、同時に相続人の思いをかなえることにつながる場合があります。

3.不動産や自社株式など分けづらい財産を多く所有している方

共有を避けた方がよい財産も、遺言書によりあらかじめ分け方を指定することが望ましいです。

遺産の分け方で争いになりやすいケースとして、不動産や自社株式など分けづらい財産を多く所有しているケースが挙げられます。

不動産や自分の会社の株式などは、基本的には複数の方が所有する共有は避けることが鉄則です。

例えば、不動産で共有状態の場合は、共有者のどなたか1人(A)が売却したいとなっても、他の共有者が持ち続けたいと主張すれば売却はできません。

その場合は、持ち続けたいという他の共有者にAが自分の持分を売却なり贈与なりすることも考えられますが、税金や購入資金の負担を検討する必要があります。負担できない場合は、結局売却ができずにAの不満になります。不仲の原因になるかもしれません。

安易な共有がトラブルにつながることも…

自社株式の場合も同様です。後継者である相続人Bと後継者でない他の相続人C、Dがいたと仮定します。自社株式をB、C、Dそれぞれが3分の1ずつ所有していた場合はどうなるでしょうか?

Bは会社の株式の3分の1しか所有していませんので、会社の役員や役員報酬を決めたり、事業拡大のための買収をしたいとなった場合には、CとDに都度承認を得なくてはなりません。何らかの原因でBとC、Dが不仲になってしまった場合は、Bの提案を受け入れてもらえずに会社の経営がストップしてしまうこともあり得ます。

また、Bの提案を受け入れる代わりに何らかの見返りを求められる可能性も否定できませんので、Bにとっては精神的な負担が発生します。

CやDに相続が発生すれば、CやDの相続人に自社株式が分散してしまい、親族とはいえ見ず知らずの方が株主となるリスクもあります。

不動産や自社株式を所有している方は、相続人に共有させるのを避けるために遺言書を作成し、不動産①は長男、不動産②は長女、自社株式は次男…などのように財産の分け方を指定することが相続人のためになります。

なお、不動産や自社株式の価格によっては、特定の相続人に遺産が集中してしまうことがあります。この場合は他の相続人の遺留分に注意をしなければなりません。遺留分を侵害するようであれば、相続人間の新たな争いの種になりますので、あらかじめ対策を検討しておく必要があります。

遺言書を作成する前に各相続人の遺留分を侵害していないか、必ず確認しましょう。

4.相続人以外に財産を分けたい方

遺言書がない場合は、遺産を受け取る権利がある方は相続人だけです。生前に長男の妻に介護等でお世話になっていたから長男の妻に遺産をわたしたいと希望した場合でも、遺言書がなければ養子に入っていない限り長男の妻は相続人でないので、基本的には遺産を受け取る権利がありません。被相続人の願いが達成できないことになります。

このように相続人以外に財産をわたしたい場合も遺言書の作成が必要になります。長男の妻を例に出しましたが、例えば生前にお世話になった公益法人などに寄付をしたいという場合も遺言書にその旨を記載すれば、基本的にはその思いが実現します(※)

(※)現金の寄付は特に問題ありませんが、不動産などの寄付の場合は相手方の法人に受け取ってもらえるかを、生前にあらかじめ確認しておくことが望ましいです。また、不動産などの寄付の場合は、税務上、被相続人が相手方の法人に不動産などを売却したとみなされます。

譲渡所得税の負担が発生する可能性があり、それは残された相続人が負担することになります。相続人に思わぬ負担となる場合がありますので、その点もあらかじめ確認しておくべきでしょう。

また、相続人以外に財産をわたす場合は、やはり相続人の遺留分を侵害しないように注意する必要があります。

5.終わりに

遺言書を作成する必要性が高い方をケース別に確認してきました。終活がブームとなったこともあり、遺言書の作成は生前の義務と言えるのではないかと感じています。

遺言書を作成するにあたっては、遺留分はもちろん、小規模宅地等の特例など税務上の特例を利用できるような分け方にすることも重要です。また、遺言書の種類や遺言書作成のお手続きなどについても各専門家のアドバイスも受けながら行うことをおすすめしています。

当事務所では税務面からみた遺産分割案のアドバイスをさせていただくほか、司法書士や弁護士と連携をして遺言書作成のお手続きなどについてもアドバイスが可能です。何かお悩みのことがございましたら当事務所までお問い合わせください。

 

関連するその他の記事はこちらになります。よろしければご覧ください。

※できる限りわかりやすくお伝えすることを優先し、あえて詳細な説明は省略しております。そのため、実際の取扱いなどは別途ご確認くださいますようよろしくお願い致します。

お気軽にお問合せ・ご相談ください

お電話でのお問合せ・ご相談はこちら
070-1250-1736
受付時間

8:00~18:00
※土日祝日、夜間も可能(要事前予約)

※初回面談原則無料(1時間)

フォームでのお問合せ・相談予約は24時間受け付けております。