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上場株式以外の株式の配当や売却損益に関する税金について(2021年2月19日)

多くのお客様が売買される株式は、トヨタなどのように上場している株式が中心になると思います。

上場株式等の配当や売却損益に対する税金は別の記事で解説しましたが、上場していない株式(未上場株式)等の配当や売却損益に対する税金はどのようになるのでしょうか?

未上場株式等というと、ご自身で未上場の会社を設立したときに出資した株式、知人が経営する未上場の会社に出資した株式、私募投資信託や私募債などが挙げられます。

未上場株式等はあまり目にする機会はないかもしれませんが、例えば会社オーナーの方がM&Aで自社株式を売却したり、自社株式から配当を出したりといったときには該当します。

未上場株式等に関する税金については、上場株式等とは考え方が異なりますので、そのあたりを今回の記事で解説していきます。

目次

1.未上場株式等の配当に対する税金

まずは配当に対しての税金です。

未上場株式等からの配当を受け取る際には、配当金から20.42%の所得税(復興特別所得税を含む)が天引きされます。つまり、配当金から配当金×20.42%の金額を差し引いた残りの金額を受け取ることになります。

一見すると源泉徴収(天引き)されているのだから、特に確定申告をしなくてよいのでは?と思えそうですが、未上場株式等の配当については総合課税により確定申告を行うことが原則です。

例外として、1回に支払いを受ける配当金が少額(計算式に当てはめて少額かどうかを判断しますが目安は10万円)のものについては確定申告をしなくてよいことになっています。ただし、確定申告をしなくてよいのは所得税の話であり、住民税は申告をする必要があります。

未上場株式等の配当から源泉徴収(天引き)されるのは所得税のみで住民税は引かれていないので、ある意味では当然かもしれません。

基本的には申告が必要ということですね。

さて、未上場株式等の配当については総合課税による確定申告が原則です。

したがって、未上場株式等の配当のほかに給与や不動産所得などがあれば、それらの所得と合算した合計の所得に対して税金が発生します。これにより計算した税金から配当控除(※)の金額を差し引き、さらに源泉徴収(天引き)された所得税を差し引いた金額がプラスであればその金額を納税しますし、マイナスであれば還付を受けることができます。

(※)総合課税による申告であれば配当控除が利用できます。この点は上場株式等の配当を総合課税で申告するときと同じです。ただし、配当控除は日本国内に本店のある会社から受ける配当でなければ利用できません。海外の会社から受ける配当は配当控除の対象外となることも上場株式等と同じです。

2.未上場株式等の売却益に対する税金

続いては売却益に対する税金です。

未上場株式等の売却益については、申告分離課税により確定申告をすることが原則です。申告分離課税による税金は、所得税15.315%、住民税5%ですので、申告方法・税率は上場株式等と同じです。

未上場株式等を売却して損が発生した場合は、同じ年に発生した未上場株式等の売却益と相殺することができますが、上場株式等の売却益とは相殺できません。

現在の税制では、未上場株式等の売却損と売却益、上場株式等の売却損と売却益はそれぞれ相殺ができますが、未上場株式等の売却損と上場株式等の売却益のようにグループをまたいだ相殺はできません。

会社オーナーの方から「(上場していない)自社株式の売却により売却益が発生したので、その売却益と相殺するために含み損を抱えている上場株式を売却しようと思うがどうか?」という内容のご質問をいただくことがありますが、未上場株式等の売却益と上場株式等の売却損は相殺できませんので、その年の未上場株式の売却益に対する税金を減らすことにはなりません。この点はご注意ください。

なお、未上場株式等の売却損は翌年以降3年間繰り越せるという制度がありません。繰り越せるのは、上場株式等の売却損ですのでこの点もご注意ください。

3.未上場株式等の売却損と配当・売却益との損益通算は可能か?

最後に確認するのは、未上場株式等の売却損と配当や売却益との損益通算についてです。

先ほど、未上場株式等の売却損は同じ年に発生した未上場株式等の売却益とは相殺可能で、上場株式等の売却益とは相殺できないことを確認しました。

さて、それでは未上場株式等の売却損と未上場株式等の配当は損益通算できるのでしょうか?

答えは「できません」

上場株式等の売却損と上場株式等の配当は損益通算ができますが、損益通算のためには、上場株式等の配当を申告分離課税で申告することが条件の一つになります。

最初に確認したとおり、未上場株式等の配当は総合課税による申告が原則です。申告分離課税による申告はできません。したがって、未上場株式等の売却損との損益通算という話につながらないのです。

また、未上場株式等の売却損と上場株式等の配当はグループが異なるため損益通算はできません。

上場株式等の売却損と上場株式等の配当で損益通算ができるというイメージを、そのまま未上場株式等の売却損と未上場株式等の配当に持ち込むと、誤った申告になりますのでご注意ください。

4.終わりに

今回は未上場株式等の配当や売却益に対する税金を上場株式等と比較しながら確認しました。

あまり、目にする機会はないかもしれませんが、特に会社オーナーの方には注意点がいくつかあったと思います。売却をお考えなどの際は、税務面を事前に税理士等にご確認いただくことをおすすめしています。

 

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