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個人年金の受給方法と税金について(2021年7月16日)

少し前に報道された老後2,000万円問題。この報道の影響もあってか、老後の生活に備えて個人年金への加入を検討している方も多いのではないでしょうか。

検討している方の関心事の一つに、年金を受け取った時の税金が挙げられます(実際によくご質問をいただきます)

そこで、今回は個人年金の受給方法と税金について解説していきます。

目次

1.個人年金の受給方法

受給方法は、受け取ることができる総額や税金のかかり方に影響します。

個人年金の受給方法は大きく一括受給と分割受給に分けられます。

一括受給とは、個人年金を一括して(まとめて)一回で受け取る方法です。分割受給とは、個人年金を複数年にわたって分散して受け取る方法です。

単に受け取り方が変わるというだけでなく、受け取ることができる金銭の総額も基本的には変わります。

一般的には、分割受給の方が一括受給よりも受取総額は大きくなります。分割受給の場合は、個人年金を分けて受け取る分、まだ受け取っていない年金に対応する分は将来受け取る時期まで保険会社が運用することになります。その運用で得られた配当等の分も受け取れるため、分割受給の方が受取総額は大きくなるというわけです。

さて、それでは必ず一括受給よりも分割受給の方を選ぶべきでしょうか?

税金の観点からは一括受給の方が有利な場合もありますので、その点を解説していきます。

2.受給方法による税金の違い

2-1.一括で受給する場合

受け取り方により税負担が異なります。

個人年金を一括で受給する場合は、受け取った金額(一時金)は一時所得となります。一時所得の計算方法は大まかには次の計算式のとおりです。

(受け取った金額-払込保険料-50万円)×2分の1

例えば、個人年金を一括で1,000万円受け取ったと仮定します。個人年金の保険料を累計で800万円支払っていた場合は、一時所得は75万円(※)となります。

(※)(1,000万円-800万円-50万円)×2分の1

50万円を差し引いて、さらに残りを2分の1にできるので、所得としては低く計算されます。特に、最後に2分の1をすることは影響が大きく、所得のなかで2分の1ができるのは、一時所得、退職所得、譲渡所得(一部のみ)だけです。

2-2.分割で受給する場合

個人年金を分割で受給する場合は、受け取った金額(年金)は雑所得となり、雑所得の中でも公的年金とは区別して計算されます。計算方法は次のとおりです。

受け取った金額-払込保険料

例えば、保険料を合計で800万円払い、年金を1年間で100万円、計10年間(合計1,000万円)受け取れる個人年金を想定します。そのときの1年間の雑所得は単純計算で20万円(※)となります。

(※)100万円-80万円(800万円÷10年)

払込保険料は保険会社で計算され、年末近くに支払調書という確定申告のための用紙が届きますので、正確にはそちらの用紙に記載された数字を用います。ここでは話を単純にするために、払込保険料の合計額に対して年金を受け取る年数で割って計算しています。

一時所得と異なり、50万円を引いたり、最後に2分の1を掛けたりといったことがありませんので、その分税金が高くなる可能性もあり得ます。

重要な点として、一時所得(一括で受給する場合)も雑所得(分割で受給する場合)も、給与、公的年金、不動産といった他の所得と合計して所得税が計算されます。

したがって、実は個人年金だけで所得税計算を行うことはできませんし、個人年金以外の他の所得との兼ね合いでどちらを選ぶべきかが変わります。

税理士等の専門家に相談するケースがあると思いますが、個人年金の金額だけでは判断ができませんので、この点はご注意ください。他の所得の金額や内容がわかる書類も準備して相談に臨むと、より具体的なアドバイスが受けられます。

3.どちらの受給方法を選ぶべきか?

繰り返しになりますがどちらの受給方法がよいかは、その方の所得全体を確認する必要があります。

ただ、一般論として一括で受給することをおすすめできる場合、分割で受給することをおすすめできる場合の目安はありますので、ここで紹介していきます(あくまで目安であり、私見も含まれますのでご了承ください)

3-1.一括受給をおすすめできる場合(一時所得で計算した方がよい場合)
  • 個人年金以外の所得が多くない場合
  • 確定申告を1回限りで完了させたい場合
  • 毎年の社会保険料の増加を避けたい場合

一括で受給する場合の特徴は、一時所得として所得をある程度低く抑えて計算できること、一括で受給するので、個人年金に関する税金を納めるのも一回限りであることです。

分割で受給した場合は、毎年確定申告が必要になる可能性があり、手間だと感じる方もいらっしゃるでしょう。そのような場合は一括で受給することがおすすめです。

さらに、個人事業者や会社を退職した高齢者の方などは個人年金を分割して受け取ると、受け取っている間、基本的には毎年の社会保険料が増加します。

これらの方々については、一括で受給した場合も受給した翌年の社会保険料は増加しますが、増加はこの1年だけです。この点も一括で受給するメリットと言えます。

3-2.分割受給をおすすめできる場合(雑所得で計算した方がよい場合)
  • 年金の受給総額を増やしたい場合
  • 所得税などの税負担を分散させたい場合
  • 雑所得内での内部通算ができる可能性がある場合

一方で、個人年金を分割で受け取る場合は、基本的に毎年の確定申告の手間が発生しますが、個人年金の受給総額が増え、結果的に手元に残る金額を増やせる可能性があります。

このあたりは、その方の他の所得などによりますが、税金を払っても手元に残る金額が大きい方がよいと言えますので、検討する価値があります。

また、個人年金を分割で受け取った場合は雑所得となります。他に雑所得の計算上赤字となるもの(外貨預金の為替損失など)があれば、その赤字と個人年金の金額を相殺でき、税金の負担を軽くすることにつながります。

ケースとしてはあまりないと思いますが、他に雑所得として計算できるものがあり、かつある程度の確率で毎年赤字が見込まれる場合は、雑所得となるように分割で受け取ることも選択肢かもしれません。

4.終わりに

個人年金の受給方法と税金の関係について、私見も交えて解説しました。

個人年金だけではどちらの受給方法が得かを厳密に判断することはできません。もし専門家にご相談される場合は、他の所得の内容がわかる資料なども併せてご準備くだいますようお願いいたします。

 

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