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贈与額を複数回に分けると大きな効果を発揮することがあります。
ご長男様がご自宅としてマンションの1室を購入する予定があり、ご長男様にいくらかの金銭の支援をしたいというお父様からのご相談です。
当初は住宅取得のための資金贈与を利用して、ご長男様に贈与を行う予定でしたが、取得するマンションの部屋の広さの関係上、住宅取得のための資金贈与が利用できないことが判明したため、他にどのような支援方法があるかというご相談でした。
なお、ご相談いただいた時期はX年の11月であり、X年の翌年にご長男様がマンションを購入する予定でした。
ご長男様への支援額は、具体的には500万円とのことです。
支援の方法として、①ご長男様へ500万円を貸してその後少しずつご長男様から返済を受ける方法、②500万円を相続時精算課税贈与により贈与する方法、③500万円を暦年贈与により贈与する方法をお伝えしました。
それぞれメリットとデメリットがあり、総合的にお客様と検討した結果、③の暦年贈与を採用することにしました。
暦年贈与の方法については、1回で500万円を贈与するのではなく、例えばX年に250万円、X年の翌年に250万円を贈与するなど、2回に分けて贈与をした方が全体の贈与税額が抑えられることをお伝えしました。
暦年贈与はその年の1月1日から12月31日までの贈与額合計に対して税率を掛けて、贈与税額を計算します。
暦年贈与の贈与税率は次の図のようになりますが、累進税率といって贈与する金額が大きければ大きいほど税率が高くなります。
したがって、1年あたりの贈与額を分散することで、その年の贈与税率を低くすることができ、贈与税額を抑えることにつながります。
今回のお客様のケースでは、11月にご相談いただいた後、12月に1回目の贈与(250万円)を行い、翌年1月に2回目の贈与(250万円)を行うことで、1回で贈与(500万円)を行う場合よりも贈与税を抑えることができました。
具体的な贈与税額は以下のとおりです。
2回に分けて贈与する場合 | 1回で贈与する場合 | |
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X年の贈与額 | 250万円 | 500万円 |
X年の贈与税額 | 14万円 | 48万5千円 |
X年の翌年の贈与額 | 250万円 | - |
X年の翌年の贈与税額 | 14万円 | - |
贈与税額合計 | 28万円 | 48万5千円 |
暦年贈与の場合、分散して贈与を行うことで贈与税額を抑えることにつながります。
※現在、相続税と贈与税の一体課税について政府内で議論がされており、将来的には本記事の内容がそのまま当てはまらない状況になることも考えられます。贈与をご検討される場合は、その時点での税制を必ず事前に税理士等にご確認くださいますようよろしくお願い致します。
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